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2020.06.23

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AIを活用したスポーツ支援の研究活動で最高栄誉の「エッカート賞」受賞

新鮮かつ独創的なテーマと、精度の高い検証結果が評価

ビジネスで培われた固有のノウハウや情報資産などを活用し、業界や企業の枠を超えて論文・研究等を行うユニシス研究会。ANAシステムズ株式会社の堀内誠矢らによるグループの研究活動が、同会の最高栄誉にあたる2019年度「エッカート賞」を受賞いたしました。

研究テーマは「AIを活用したスポーツフォーム改善支援~AIパーソナルトレーナーによるダーツ指導~」。ダーツを用いて「個々人の運動フォームとその結果を学習し、AIが最適フォームを導いてアドバイスを行うことで、技術向上につなげることができるのでは」という仮説を立て、検証と考察を重ねました。

これに対し以下の3つの点が高く評価され、今回の受賞となりました。

  • 着眼点が新鮮であり、数値で表すことの難しいスポーツフォームをテーマにした点が独創的。
  • 研究の過程において推論のネットワーク改善や、さまざまな工夫・試行錯誤が含まれており、より精度の高い結果に結び付けられている。
  • 10ヶ月という限られた期間で、柔軟な発想と限られたリソースをフルに活用したことがうかがえる活動で、今後の発展性にも期待できる。

弊社は今後も社員の研究活動を推奨し、業務の品質向上や社会貢献に一層努めてまいります。

研究活動の概略

AIを活用したスポーツフォーム改善支援 ~AIパーソナルトレーナーによるダーツ指導~

  1. 研究テーマ選定の背景
    スポーツは人を真似てもなかなか上達しない」「ある程度上達すると伸び悩む」といったメンバーの経験をもとに、「AIを活用して個々人に合った最適なスポーツフォームを導き出せないか」という意見が出されました。
    そのうえで、「競技データがある程度の数量採取可能」などの理由からダーツが選定されました。
  2. 仮説の設定と検証方法
    「ダーツを用いて個々人の運動フォームとその結果を学習し、AIが最適フォームを導いてアドバイスを行うことで技術向上につなげることができるのではないか」という仮説を設定。ダーツフォームの構成要素の抽出、フォーム要素採取方法の検討と解析技術の調査、角度と角速度の検討と相関結果、AIアドバイスアプリケーション構築について確認・検討を行いました。
  3. 検証と考察
    AIによるアドバイスを受ける前と後で、それぞれの結果を評価。さらに、アドバイス処理時間の短縮やアドバイス内容の改善などを行い、再度検証を行いました。
  4. 研究活動のまとめ
    被験者の半数以上が上達傾向を示すことができ、最適フォームに対するAIアドバイスの有効性が裏付けられました。
    今回の研究成果を踏まえ、スマートフォンから動画解析を行うなどAIを用いたアドバイスアプリケーションへの高いニーズが推察されます。また、ダーツをはじめ、バッティングセンターなどのあらゆるスポーツ練習場においても、AIがフォームを解析してアドバイスする仕組みがあれば、トレーナー不足の解消にもつながることが期待されます。
「エッカート賞」受賞
弊社社員の堀内誠矢(一番右)と研究グループメンバー

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